写真をNFTにしてみたい!と思ったことはありませんか。
しかし写真には、撮影者や被写体などの人物が写っている場合があり、著作権や肖像権の問題が発生する可能性があります。
この場合どうしたら良いのでしょうか。
NFTに関する法律はまだありませんが、一般的な著作権や肖像権の観点から考えていきましょう。
はじめに:nftとは何か?
NFT(Non-Fungible Token)とは、ブロックチェーン技術を用いた独自性のあるデジタルトークンで、オリジナル性や所有権の保証ができるため、芸術作品やゲームアイテム、スポーツの記念品など、様々なコンテンツの認証や売買ができるようになったものです。
各NFTには独自の識別子があり、複製が不可能なため、特定のオブジェクトを所有することができるようになっています。
詳しくは、こちらの記事で解説しています。↓
NFTとは?できることや今後の展望などを簡単にわかりやすく解説!
著作権や肖像権の基本的な考え方
日本における著作権や肖像権の基本的な考え方は、著作権法や肖像権の保護に関する法律などで定められています。
著作権とは、創作物を創った人がその作品を独占的に利用する権利であり、肖像権とは、個人の肖像(顔写真など)を自己の意思に反して公表されることを防ぐ権利です。
写真をnft化する場合に考慮すべき点とは
写真をNFT化する場合には、以下の点を考慮する必要があります。
- 著作権について
写真を撮影した人が著作権を保有している場合があります。
この場合、NFTを作成する前に著作権者から許可を得る必要があります。 - 肖像権について
写真には写っている人物の肖像権も考慮する必要があります。
肖像権は、その人物の承諾を得なければ、その人物の肖像を使用することができません。
そのため、写真に写っている人物が特定できる場合は、その人物からの承諾を得る必要があります。 - 出版権について
さらに、写真には出版権も関わってきます。
出版権は、著作権とは別に存在し、著作権者が著作物を公に頒布することを独占的にできる権利です。
NFTを作成して公開する場合は、出版権も考慮する必要があります。
nftの売買において著作権や肖像権を守る方法
・使用許諾契約書の作成
著作権や肖像権を侵害しないように、作品をnft化する場合には、著作権者や肖像権者との間で使用許諾契約書を締結することが必要です。
使用許諾契約書には、使用する範囲や期間、利用料金、追加使用についての条件などが明示されています。
・公序良俗に反しないように注意する
nftの作品には、公序良俗に反するものが含まれている可能性があります。
特に、社会的に問題視される表現が含まれる場合には、注意が必要です。
例えば、人種差別的な表現、違法な行為を助長する表現などは、公序良俗に反するとされ、nftの売買に使用することはできません。
写真の肖像権を配慮したNFTの事例:NBA Top Shot
実際に写真の肖像権を配慮して作られたNFTを紹介しましょう。
NBA Top Shot 引用:NBA Top Shotの公式サイト
NBA Top Shotは、NBA(米大陸を拠点とするプロバスケットボールリーグ)が公式に認可したNFTプラットフォームであり、NBAが独自にライセンスを管理しています。
このため、NBA Top ShotのNFTには、NBAや選手本人からライセンスを取得した上で、選手の肖像権が含まれています。
NBA Top Shotでは、NBAや各選手が独自にライセンス契約を結んでおり、これに基づいてNFTが発行されています。
また、NBA Top Shotは、NBAや選手本人との契約に基づき、NFTの所有権や使用権を管理しています。
つまり、NBA Top Shotにおいては、NBAや選手本人から正式にライセンスを受けた上で、NFTが発行されているため、選手の肖像権に問題があることはありません。
ただし、NFTに関するライセンス契約の具体的な内容によっては、肖像権についても明示的に規定されていることがあります。
したがって、NBA Top Shotにおいても、個別のNFTに関してはそれぞれの契約内容を確認することが重要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
NFTに写真を使うことは可能ですが、その写真が著作権や肖像権の保護を受けている場合、その権利を侵害することになる可能性があります。
そのため、NFTを作成する際には、著作権や肖像権の確認や許諾など、法的な観点を考慮する必要があります。
ただし、写真の撮影者が著作権を所有している場合、自身の写真をNFT化することは可能です。
詳細については、弁護士や専門家に相談することをお勧めします。