NFTと音楽業界：音楽アーティストがNFTを活用する理由とは？

2023年3月3日 2023年3月3日

近年、NFTという言葉をよく耳にするようになりました。特に、音楽業界においては、多くのアーティストがNFTを活用しています。

一体なぜ、音楽アーティストたちはNFTを活用するのでしょうか？

そこで今回は、NFTと音楽業界について、音楽アーティストがNFTを活用する理由とNFTがもたらす音楽業界の変化について探っていきます。

NFTとは何か？

NFTは、Non-Fungible Token（非代替性トークン）の略称で、独自のブロックチェーン上でトークン化されたデジタル資産の所有権を証明する技術です。NFTは、例えば、デジタルアート、音楽、動画、ゲームのアイテムなど、独自の価値を持つデジタルコンテンツに対して使用されます。

NFTは、ブロックチェーン上のトークンであるため、デジタルコンテンツに対する独自の所有権が保証されます。また、NFTにはスマートコントラクトが組み込まれており、作成者がトークンに付随させた条件に合致する場合には、トークンが自動的に転売されるなど、自律的な機能が備わっています。

音楽アーティストがNFTを活用する理由

1. ファンとの接点を増やす

音楽アーティストにとって、ファンとの接点を増やすことは非常に重要です。NFTを用いることで、アーティストは、ファンに向けた限定コンテンツを提供することができます。例えば、アーティストの未公開音源や、コンサートのバックステージ映像など、普段は手に入らない貴重なコンテンツを提供することができます。

2. 収益モデルの多様化

音楽アーティストにとって、CDや配信収入など、従来の収益源だけではなく、新たな収益源を確保することが求められています。NFTを用いることで、アーティストは、自身の音楽作品やアート作品などをNFT化し、限定的な販売を行うことができます。また、NFTには転売機能があり、作品が転売されるたびにアーティストにロイヤリティが発生するため、長期的な収益源としても期待されています。

3. 作品の保全と所有権の確立

NFTを用いることで、作品の保全や所有権の確立が容易になります。例えば、音楽アーティストが自身の楽曲をNFT化することで、楽曲の改ざんや不正利用を防ぐことができます。また、NFTを用いることで、作品の所有権がブロックチェーン上に記録されるため、所有権に関する紛争の解決が容易になります。

NFTを活用した音楽アーティストの事例

NFTを活用した音楽アーティストの事例として、アメリカのバンド「キングス・オブ・レオン」があります。彼らは、アルバムのNFT版を発売し、ファンに対して限定コンテンツや特典を提供することで、話題を集めました。

日本の音楽アーティストでも、以下のアーティストがNFTを活用した楽曲販売を行っています。

坂本龍一：
Merry Christmas Mr. Lawrence」のメロディーを595音に分割した1音ずつのNFTとして販売。これらはマーケットプレイス「Adam byGMO」で、1音（1つのNFT）につき10,000円（税込）の固定価格で販売されました。
出典：https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003426.000000136.html
小室哲哉：
10月10日に開催された「イノフェス」というイベントで、自身のステージパフォーマンスをNFT作品として販売しました。
出典：https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000062348.html
SEKAI NO OWARI:
SEKAI NO OWARI DOME TOUR 2022にて、チケット購入者全員に「Du Gara Di Du」NFTデジタルカードをプレゼントしました。
出典: https://sekainoowari.jp/info/2022/08/08/1911/

これらのアーティストは、NFTを使って自分たちの音楽作品に独自性や希少性を付与し、ファンとより深い関係性を築こうとしています。