
Web3で使用される主要なプログラミング言語とは?
Web3ではJavaScriptやRustなどの一般的な言語の他に、スマートコントラクト用の言語としてSolidity(ソリディティ)とVyper(バイパー)が使われています。
それぞれの特徴を簡潔に説明しておきましょう。
- Solidity
イーサリアム上でスマートコントラクトを書くためのプログラミング言語です。
スマートコントラクトは、分散型アプリケーションの中心的な役割を担います。 - Vyper
Solidityに代わるスマートコントラクト言語として開発されました。
Solidityと比較して、より簡潔で安全性が高く、バグを発生させにくいという特徴があります。 - Java
Web3アプリケーションにおいて、クライアントサイドのアプリケーションや、ブロックチェーンとのやりとりに使用されるプログラミング言語です。 - Rust
Web3アプリケーションの中でより高速な処理を行うために使用されています。
次の章から詳細に説明していきます。
Solidity(ソリディティ) Web3において重要な役割
Solidity(ソリディティ)とは
Solidityは、Web3において最も重要な役割を担っているプログラミング言語の1つです。
この言語は、イーサリアム(Ethereum)ブロックチェーン上で動作する分散アプリケーション(dApps)を開発するためのスマートコントラクト言語であり、今ではブロックチェーン開発をする上で避けては通れない主要言語となっています。
Solidityを使用することで、スマートコントラクトを簡単かつ効率的に開発することができます。
Solidity(ソリディティ)でできること。学習法は?
Solidityでできることには、例えばスマートコントラクトの開発、仮想通貨の発行、投票、ゲーム開発などがあります。
Solidityの学習には日本でも多数のコミュニティが存在しており、勉強会やもくもく会、ハッカソンなどのイベントを不定期で開催しています。
また、Solidityの学習教材も多数存在し、初心者から上級者まで、様々なレベルの学習が可能です。
CryptoZombiesでSolidityを楽しく学べる
引用:https://cryptozombies.io/jp/
「CryptoZombies」クリプトゾンビは Solidityをゲーム感覚で学ぶことができるオンライン教材です。
ブラウザ上で実行されるので、環境構築は不要で気軽に学ぶことができます。
Solidityの使い方
- Solidityの開発環境
GanacheやMetaMask、Remixなどがあります。
npmコマンドを使うためにnode.jsをインストールしておきましょう。 - Solidityファイルの作成:
Solidityはテキストファイルとして、Visual Studio CodeやAtomなどのエディタで作成することができます。
例えば、Hello Worldスマートコントラクトを作る場合は、"HelloWorld.sol"というファイル名を使用します。Solidityファイルを作成する際には、"pragma solidity"で使用するバージョンを指定する必要があります。 - Solidityのコンパイル:
Solidityファイルをsolcというコンパイラを使ってコンパイルすることで、イーサリアム上で実行可能なバイナリコードに変換することができます。 - スマートコントラクトのデプロイ:
GanacheやRemixといったツールを使ってSolidityで書かれたスマートコントラクトをイーサリアムのブロックチェーン上にデプロイします。 - スマートコントラクトの実行:
スマートコントラクトがイーサリアムのブロックチェーン上にデプロイされたら、トランザクションを送信することでスマートコントラクトを実行することができます。
Solidityのメリット・デメリット
Solidityのメリット
- スマートコントラクトの開発が容易:
Solidityは、C++やJavaScript、Pythonといった言語に似た構文を持っているため、開発者にとって学習が容易です。 - 多様なアプリケーションが開発可能:
Solidityを使えば、Ethereum上で、デジタル通貨の開発や、スマートプロパティ、スマートローンなど、多様なアプリケーションの開発が可能です。 - データの透明性:
Ethereumのブロックチェーンにデータが格納されるため、トランザクションや取引に関するデータの透明性が高まります。 - 情報収集しやすい:
SolidityはEthereumの公式言語であり、多くの開発者がSolidityの開発に取り組んでいます。
そのため、コミュニティからの支援や情報収集が容易です。
Solidityのデメリット
- スマートコントラクトのセキュリティ:
Solidityで書かれたスマートコントラクトのバグは、Ethereum上で修正することができないため、スマートコントラクトのセキリティには非常に重要な問題です。
スマートコントラクトを開発する際には、セキュリティについて十分な注意が必要です。 - 学習コスト:
Solidityは新しい言語であり、学習コストが高いと感じる人もいます。
また、スマートコントラクトを開発するには、ブロックチェーンについての知識も必要となります。 - 開発の制限:
Solidityはまだ比較的新しい言語であり、開発の制限がある場合があります。
例えば、Solidityで書かれたスマートコントラクトは、現在のEthereumブロックチェーン上でのみ実行可能です。 - リソースの不足:
Solidityの開発には、コンパイラやブロックチェーン上でのトランザクションの実行に必要なリソースが必要です。
そのため、開発者にとってコストがかかる場合があります。 - インフラストラクチャの不安定性:
ブロックチェーン技術はまだ発展途上の技術であり、インフラストラクチャの不安定性が問題となる場合があります。
これは、スマートコントラクトの実行に必要なリソースが不足している場合や、ブロックチェーン自体に問題がある場合があります。
Vyper(バイパー) Solidityに代わるプログラミング言語
Vyper(バイパー)とは
Vyper(バイパー)は、Python風の構文を持つEthereum上で動作するスマートコントラクト言語です。
Solidityに代わる選択肢として開発され、バグの少ないコードを書きやすくすることを目的としています。
Vyperの学習方法
- Ethernaut オンラインチュートリアル
Ethernautは、SolidityおよびVyperのスマートコントラクトの学習に役立つ無料のオンラインチュートリアルです。Vyperに特化したチュートリアルはまだ限られていますが、今後も増えることが期待されます。 - Vyper コミュニティ
Vyperに興味を持つ開発者は、コミュニティに参加することをお勧めします。Vyperの開発者は、DiscordのVyperチャンネルを運営しています。コミュニティに参加することで、他の開発者と知識を共有し、Vyperの開発についての最新情報を得ることができます。
Vyperの使い方
Vyperの使用方法は、Solidityと似ています。
まず、Vyperを使うためには、Solidityと同様にイーサリアムのクライアントが必要です。イーサリアムの公式クライアントであるGethを利用することができますVyperをインストールする方法は、以下のようになります。
pip install vyper
Vyperは、Solidityと同様に、RemixというオンラインIDEを利用することができます。また、ローカルにEthereumのクライアントをインストールして、ローカル環境でテストすることもできます。
Vyperでスマートコントラクトを作成するためには、以下のような手順を踏みます。
- Vyperのソースコードを記述する
- Vyperのコンパイラを使って、バイトコードに変換する
- Ethereum上でコントラクトをデプロイする
Vyperのメリット
- セキュリティが高い:
Vyperは、静的型付けや関数のシンプルな制限などの機能を備えており、スマートコントラクトにバグを含めにくくすることができます。 - 構文がシンプル:
Pythonに似た構文を採用しているため、Pythonを書いたことがある開発者にとっては、学習が容易であり、開発の効率が向上します。 - コンパイラの処理が速い:
Solidityよりもシンプルな構文を採用しているため、コンパイルの処理が早く、スムーズにスマートコントラクトを開発することができます。
Vyperのデメリット
- 知名度が低い:
Vyperは、Solidityに比べてまだ新しい言語であり、リソースやサポートが限られています。
そのため開発者の間での知名度が低く、情報収集が困難な場合があります。 - 将来的な変更が予想される:
Vyperは、現在も開発が進められており、将来的なアップデートや変更が予想されます。
これにより、開発者が常にアップデートに追随する必要があるため、開発のスピードが遅れる可能性があります。 - 機能が限られている:
VyperはSolidityに比べて機能が限られているため、ある程度複雑なスマートコントラクトの開発には、Solidityを使用した方がよい場合があります。
JavaScript(ジャバスクリプト)Web3開発にも使われる
JavaScript(ジャバスクリプト)とは
JavaScriptは、Webページに動きやインタラクションを加えるためのプログラミング言語です。
HTMLやCSSと合わせてブラウザ上で実行され、Webページ上の効果的なユーザインタフェースを構築します。
また、Web3アプリケーション開発にも使われており、Web3.jsというライブラリを利用してWeb3アプリケーションを開発することができます。
JavaScriptの使い方
JavaScriptはWebページに直接書くことも、外部のJavaScriptファイルとしてHTMLページから読み込むこともできます。 JavaScriptはブラウザ上で実行されるので、HTMLドキュメント内に<script>タグを使ってJavaScriptコードを記述します。
JavaScriptのメリット
- ブラウザ上で実行されるため、サーバーサイドの負荷が軽減される。
- 開発者が使いやすいシンプルな構文を持っている。
- 多くのフレームワークやライブラリが利用可能。
JavaScriptのデメリット
- ブラウザによって実行環境が異なるため、動作確認が必要。
- セキュリティ上の問題がある(XSSやCSRFなど)
- 遅い処理が原因となり、ユーザーエクスペリエンスが悪化することがある。
Rust(ラスト) 近年注目を集めているプログラミング言語
Rust(ラスト)とは
Rustは、システムプログラミングやWebAssemblyなどの分野で活躍しており、近年注目を集めているプログラミング言語の1つです。
オブジェクト指向や関数型プログラミングなどの、複数のプログラミングパラダイムを統合することができます。
Rustでは、メモリの安全性、パフォーマンス、実行時のエラーなどのプログラミング上の問題を解決することが可能です。
Rustの使い方
- Rustのインストール:
Rustは公式サイトからダウンロードしてインストールすることができます。
https://www.rust-lang.org/tools/install - 開発ツールのインストール:
Rustの開発に必要なツールとして、RustupとCargoをインストールする必要があります。
RustupはRustのバージョン管理ツール、CargoはRustのパッケージマネージャーです。 - プロジェクトの作成: Cargoを使って新しいRustのプロジェクトを作成することができます。
プロジェクトの作成には、以下のコマンドを実行します
cargo new [project-name]
これらの手順を踏めば、Rustの環境がセットアップされます。
Rustのメリット
- メモリの安全性の確保:
Rustはメモリ安全性を重視するため、コンパイル時にメモリ競合を検出し、実行時エラーを回避することができます。 - 高速なパフォーマンス:
Rustは、C++やC言語に匹敵する高速なパフォーマンスを発揮するため、リソース制限があるシステムや高負荷なアプリケーションの開発に適しています。 - 並列処理に強い:
Rustは、マルチスレッド処理に対応しており、競合状態などの問題が発生することがありません。 - パターンマッチングに優れた構文:
Rustの構文は、パターンマッチングに優れており、書きやすいプログラムを作成することができます。 - クロスプラットフォーム:
Rustは、様々なプラットフォームで動作することができます。
このため、Windows、macOS、LinuxなどのOSで開発されたプログラムを、他のOS上でも実行することができます。
Rustのデメリット
- 学習コストが高い:
Rustは、C++などの伝統的なシステムプログラミング言語とは異なる独自の特徴があります。
そのため、学習コストが高く、初心者には難しい場合があります。 - 非同期処理のコードが複雑:
Rustは非同期処理に対応していますが、そのコードは複雑で書きにくいという問題があります。 - コミュニティの規模が小さい:
Rustはまだ新しい言語であり、コミュニティの規模が他の言語と比べて小さいため、情報やライブラリの提供が少ないという問題があります。 - コードが冗長になりやすい:
Rustのコードはメモリ安全性を確保するために、多くの場合、冗長になりやすいという問題があります。
まとめ: Web3で使用されるプログラミング言語はそれぞれ異なる役割を持つ
いかがでしたでしょうか。
Web3ではこのほかにもGoやPythonなどの言語が使用されています。
これらのプログラミング言語は、Web3アプリケーションの構築において、それぞれ異なる役割を果たします。
Web3アプリケーションの開発においては、各言語の特徴や目的を理解して、適切に使用することが重要です。