2023年のアニメ・漫画・イラストのNFTの最新トレンドまとめ

2023年、アニメ・漫画業界ではNFT(ノンファンギブルトークン)が大きな注目を集めています。本記事では、アニメ・漫画のNFTコレクションにおける最新トレンドを徹底解説します。

オリジナルキャラクターNFTの普及からVR/AR技術との融合、国際的なコラボレーションまで、様々な角度からアニメ・漫画NFTの魅力をご紹介します。

1. 2023年アニメ・漫画NFTコレクションの最新トレンド

2023年のアニメ・漫画NFTコレクション市場は、オリジナルキャラクターの普及、VR/AR技術との融合の2つのトレンドが顕著です。

1-1. オリジナルキャラクターNFTの普及

引用:https://www.cryptokitties.co/

オリジナルキャラクターを題材にしたNFTが増加しており、これにより個々のクリエイターが独自の世界観を持つキャラクターを世界中のファンと共有することができます。例えば、CryptoKittiesのようなブロックチェーン上で繁殖可能なバーチャルペットのNFTが注目を集めています。

CryptoKitties(クリプトキティーズ)とは

CryptoKitties(クリプトキティーズ)は、カナダのDapper Labsが開発したブロックチェーンゲームで、プレイヤーはイーサリアムを使って仮想猫のNFTを購入、販売、作成できます。猫は「キティ」と呼ばれており、性別はありません。このゲームでは、猫同士の交配によって新しい猫を誕生させることができ、プレイヤーは猫を売却することで利益を得ることができます。中には2000万円で取引された猫も存在します。CryptoKittiesは世界初のブロックチェーンゲームとして大変人気があります。

 

1-2. VR/AR技術との融合

引用:https://decentraland.org/

NFTコレクションはVR/AR技術と組み合わせることで、新たな価値を生み出す可能性があります。例えば、NFT導入のVRメタバースであるDecentralandのようなバーチャルリアリティ空間で、NFTアートやアバターを展示・交換することができます。

 

NFTとAR技術を組み合わせたサービス事例として、世界的に人気なディズニーやマーベルといった大型IPコンテンツがNFTに参入しており、ARの技術との親和性が期待されています。

米ウォルト・ディズニー・カンパニーは2022年6月13日、「2022 Disney Accelerator」の参加企業を発表しました。

Disney Acceleratorは、世界の革新的な企業の成長を加速させるために作られた事業開発プログラムです。ここではAR(拡張技術)、NFT(非代替性トークン)、AI(人工知能)のような技術を取り扱っていることに特化して参加企業を選んだと説明しています。

まだこのプログラムは始まったばかりですが、今後の展開に期待ができますね。

2. 人気アニメ・漫画タイトルによるNFT展開

人気アニメ・漫画タイトルもNFT市場に続々参入しており、「ワンピース」、「鉄腕アトム」、「スタジオジブリ」などがNFTコレクションを展開しています。

2-1. 「ワンピース」NFTコレクション

https://mangaart.jp/

(c)2022, Eiichiro Oda /Shueisha Inc. All rights reserved.

集英社は、人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」のNFT化に注力しています。活版印刷作品をNFT化し、尾田栄一郎氏の作品「ONE PIECE」のマンガアート作品やカラープリント作品が販売されています。

また、2021年3月1日よりブロックチェーン証明書を活用したマンガアート世界販売事業『SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE(SMAH)集英社マンガヘリテージ』がスタートしました。NFTはデジタルデータに希少価値を与えることができます。ワンピースNFTは、リアルと証明書のNFTを組み合わせた期待大の注目事例です。

詳しくは下記のページでもまとめています。

 

2-2. 「鉄腕アトム」NFTプロジェクト

引用:https://tezuka-art.nftplus.io/ja

一方、手塚治虫の「鉄腕アトム」を題材にしたNFTプロジェクトも展開されています。「手塚治虫のかけらたちより」では、「鉄腕アトム」のデジタルアートNFTがチャリティー販売・オークション販売されています。「ASTROBOY x JAPAN(ご当地アトム)NFT」では、観光地とコラボレーションしたカードが発売され、XANAメタバースや関連ゲームで使用可能です。また、「鉄腕アトム」の二次創作NFTプロジェクトもスタートし、アニメファンやデジタルアート愛好家に新体験を提供しています。

2-3. 「スタジオジブリ」のNFTアート

https://mkt.rakuza.io/ja/home/none/none/none/none/none/none

引用:楽座 https://mkt.rakuza.io/ja/home/none/none/none/none/none/none

スタジオジブリは、アニメや漫画を扱うNFTプラットフォーム「楽座」に、制作したアニメーション作品のセル画をNFT化して出品しています。楽座は、世界初の日本アニメのセル画に特化したNFTマーケットプレイスで、2021年7月5日にグランドオープンしました。スタジオジブリのNFTは、同社が制作したアニメーション作品のセル画が主な対象です。購入や取引には、イーサリアムが必要です。

3. アーティストや声優によるNFT活用

アーティストや声優もNFTを活用しており、サイン入りのNFTカードや限定版のNFTアート、アーティストの活動支援を目的としたNFTが登場しています。

3-1. 声優のサイン入りNFTカード

引用:https://www.tokenlink.io/auction-item-detail.html?saleId=2476

声優のサイン入りNFTカードとは、声優の音声や画像などをデジタルアートとしてブロックチェーンに登録したNFTのことです。

NFTは、デジタルコンテンツの所有権や希少性を証明することができるため、声優ファンにとっては貴重なコレクションになります。

例えば、国産NFTマーケットのTOKENLINKでは、声優今井麻美さんのボイス付きNFTが販売されました。【世界初】国産 NFTマーケット・TOKENLINK内で声優今井麻美さんのボイス付きNFTのオークション販売開始|TheotexGroupHD株式会社のプレスリリース (prtimes.jp)

また、26時のマスカレイドというアイドルグループは、自身のライブ映像や写真をNFT化して販売しました。26時のマスカレイド × Sammy NFT Project「26時の青い糸NFT」 NFT発売に関するお知らせ|サミー株式会社のプレスリリース (prtimes.jp)

3-2. イラストレーターによる限定版NFTアート

引用:【本秀康】RECOSUKE - イラストレーション編集部のNFT | Adam byGMO

イラストレーターによる限定版NFTアートは、ファンにとって価値のあるコレクションとなります。国内最大級のNFTマーケットプレイス「Adam byGMO」では、第一線級のイラストレーター4名のNFTアートが販売されました。

参加したのは、本秀康さん、イケガミヨリユキさん、赤さん、millitsukaさんです。作家にとっても初のNFT作品となりますが、この企画のための描き下ろして注目を集めました。

ただし、こちらの作品の多くは2023年時点ではほぼ売り切れています。気になる方はAdam byGMOホームページにて検索してみましょう。

Adam byGMOで販売済み作品を検索する方法

  1. Adam byGMOホームページ(リンク:https://adam.jp/)に移動する
  2. 検索窓で人名、または作品名で検索
  3. ここで見つからない場合は販売状況 「保有中(オファー可)」を選ぶ。(売り切れのものはここで確認でき、欲しいなら保有者にオファーできます。)

3-3. NFTを活用したアーティストの活動支援

引用:https://whitecanvas.pro/

東南アジアを舞台にしたアーティスト育成支援事業「White Canvas(ホワイト・キャンバス)」では、ブロックチェーン技術を使って、作品の売買が繰り返されるたびにアーティストに売り上げの一部が還元される仕組みが構築されています。

株式会社チケミーが開始した「TicketMe Goods」も、Web3技術や暗号資産ウォレットに関係なく、簡単にNFTを発行できるようになっており、障がい者アーティストのNFTアート販売も開始されています。

参考:https://www.members.co.jp/company/news/2022/1213.html

他にも、株式会社MiraCreativeは、ブロックチェーンやNFTを活用したアーティスト支援プラットフォームを開始しました。

4. NFTとリアルイベントの連携

NFTのリアルイベントとして、「4月のNFTリアルイベント一覧 new connect staa vol.3#わたしの春イチバン」があります。

このイベントは、2023年4月1日から9日まで渋谷PARCO ニュースターギャラリーで開催され、"春"をテーマにした約300作品が展示されました。会場ではパネルやデジタルサイネージ展示が行われ、さまざまなイベントが提供されました

また、日本のNFT界隈では2023年にも多くのリアルイベントが開催されるようです!NFTを取り巻く熱量を感じることができる貴重な場となるでしょう。

詳しくは以下の記事にまとめられているので紹介します。

【2023年最新】全国のNFTリアルイベントまとめ(随時更新)

5. NFTアニメ・漫画市場の将来性

NFTアニメ・漫画市場は、新たな収益源の創出、ファンとのコミュニケーション強化、NFT技術の進化とアニメ・漫画業界への影響が期待されています。

5-1. NFTを活用した新たな収益源の創出

NFTは、アニメ・漫画業界において新しい収益源となる大きなチャンスを生み出します。従来のグッズやイベントとは異なり、NFTはデジタル上での取引が可能であり、国境や物理的な制約を超えて世界中のファンがアクセスできます。

例えば、限定版のイラストやアニメーションの原画、声優によるサイン入りの特別な音声データなど、従来は手に入れることが難しかった貴重なアイテムが、NFTとして提供されることでファンにとっても魅力的なコレクションとなります。

また、NFTの所有権はブロックチェーン上で確認できるため、作品の著作者や関係者に対するリセールロイヤリティ(二次的著作物利用料)が確保できることも大きな利点です。これにより、アーティストや制作会社は、作品が継続的に収益をもたらす可能性が広がります。

5-2. ファンとのコミュニケーション強化

NFTは、ファンとアーティストや制作会社との新たなコミュニケーションツールとしても活用できます。NFTを通じて、ファンは作品やキャラクターに対する愛着をより深めることができるだけでなく、アーティストや制作会社と直接つながる機会が増えることで、ファン同士のコミュニティが活性化します。

NFTを利用したオンラインイベントやキャンペーンが今後増えていくと、ファンが参加しやすくなるでしょう。

NFTを使ったクラウドファンディングも一つのアイデアとして挙げられます。ファンが直接、作品の制作や新たなプロジェクトに資金提供することで、アニメ・漫画業界はより持続可能な形で発展していくことが期待できます。

5-3. NFT技術の進化とアニメ・漫画業界への影響

NFT技術の進化は、アニメ・漫画業界にもさまざまな影響を与えています。例えば、NFTアートの登場により、デジタルアート作品がより一般的になり、アーティストがその才能を発揮する場が広がっています。

また、バーチャルリアリティ(VR)や拡張現実(AR)といった技術との組み合わせにより、アニメ・漫画の世界観を体験する新たな方法が生まれています。

さらに、NFT技術が進化することで、著作権管理や違法コピーの対策がより効果的に行われる可能性もあります。これにより、アーティストや制作会社の権利が保護され、アニメ・漫画業界全体が安定した形で成長を続けられるでしょう。

まとめ

NFTアニメ・漫画市場の将来性は非常に大きく、新たな収益源の創出やファンとのコミュニケーション強化、技術の進化といった面で、アニメ・漫画業界に革新的な変化をもたらしています。これからのNFT技術の発展とアニメ・漫画業界との融合が、どのような新たな可能性を生み出すのか、今後も注目していきたいところです。

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